どんな君も、全部好きだから。
「私も大好き、賢斗くん」


いつも恥ずかしくて伝えられないことが多かったけど、やっぱり伝えたい、伝えなきゃって思うから。

賢斗くんのことを想う気持ち、賢斗くんにしてほしいこと、これからはちゃんと言葉にしていきたい。


「そんな可愛いこと言われたら我慢できなくなるだろ」


そう呟きながら照れくさそうに口元を隠す仕草に、私の胸がぎゅっとなる。

私がじっと見つめていると、賢斗くんの顔がゆっくりと近づいてきてもう一度短くキスをされた。


「めっちゃ大事にするけど、一応覚悟はしといてね」


少し意地悪そうにそう言った賢斗くんが大人っぽい表情で笑うので、私はドキドキが止まらなかった。


窓から差し込む日の光が、賢斗くんの柔らかな髪をキラキラと彩っている。

優しく髪に触れると、少しくすぐったそうに首をひねったあと、賢斗くんがふわっと笑った。


もっともっと、たくさんの賢斗くんを知っていきたい。

どんな賢斗くんも好きだって自信をもって言えるよ。

だからいろんな気持ちを見せてほしい。


私も大切に伝えていくから。





< 233 / 246 >

この作品をシェア

pagetop