恋のGraduation
甘いひととき
パート職員らも定刻通り退勤し、ひとけのなくなった放課後等デイサービスで、私は黙々と記録をつけていた。

ほんの30分前までは、子供たちの騒ぐ声で賑やかすぎるほどだったけれど。

「はい、お疲れ様」

シュンがマシュマロ入りココアを入れて渡してくれた。

「ありがとう」

微笑んでココアに口をつけたが、猫舌の私にはまだ熱い。

シュンとは大学で知り合い、いつの間にか恋に落ち、ある出来事がきっかけで一緒に進路変更。

そして今は、共同経営者だ。
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