恋のGraduation
「母さん…もういいよ。私だって、もう子供じゃないし、気持ちは判るから」
「麻里が優秀な子で、本当は、心底誇らしく思っていたわ…だけど、あゆ子の手前、褒めることもできなくて。それはお父さんも同じ。でも、もう二人とも大人だからね。これ以上、あゆ子のことで麻里に迷惑かけることはできない…。麻里が今の彼のことを本気だって聞いたからこそ、本当のことを本人から言うべきだって…」
母の涙声は止まない。
「あのね、母さん。もう彼には話した。全く気にしてないみたいだし、この春休みに、彼の実家にも招待された。きっと大丈夫だから。もう泣かないで?」
「麻里…ありがとう…」
姉にカミングアウトされ、シュンには実家に誘われ、母には受話器越しに泣かれ、何だか、やたら長い一日だった。
「麻里が優秀な子で、本当は、心底誇らしく思っていたわ…だけど、あゆ子の手前、褒めることもできなくて。それはお父さんも同じ。でも、もう二人とも大人だからね。これ以上、あゆ子のことで麻里に迷惑かけることはできない…。麻里が今の彼のことを本気だって聞いたからこそ、本当のことを本人から言うべきだって…」
母の涙声は止まない。
「あのね、母さん。もう彼には話した。全く気にしてないみたいだし、この春休みに、彼の実家にも招待された。きっと大丈夫だから。もう泣かないで?」
「麻里…ありがとう…」
姉にカミングアウトされ、シュンには実家に誘われ、母には受話器越しに泣かれ、何だか、やたら長い一日だった。