恋のGraduation
「ホテルは混んでたのに、此処は人がいないのね」

そう呟くと、

「うん。ラッキーだったね」

微笑んでシュンが答える。

「灯台、初めて来たけど…子供の頃ね、灯台守になりたいって夢見てたの。現実では、無理なんだけどね」

私がそう言うと、

「それは初耳だったな。でも、どうして?」

「どうしてかなぁ…子供の考えることだからいい加減なものだけど。昔の私は、あんまり人とうまくやれなかったし、誰かと一緒に居たくなくて、ずっと孤独に生きていきたい…なんて思ってたのよ」
< 48 / 55 >

この作品をシェア

pagetop