恋のGraduation
「そうなんだ。私、子供のことってよくわからないけど、それは個人差の問題じゃ…」

「違うの!」

姉がキッパリと、しかし、何故か申し訳なさそうに言う。

「前からおかしいとは思ってた。最初は、耳が聞こえないのかと思ったけど、それとも違うし…。ちゃんと検診受けたら、自閉症だって…」

そう言う姉は、何故かとても悲しそうだ。

「そっか。でも、最近は発達障害って言葉もかなり浸透してきてるし、あんまり悲しまな…」

「もうひとつ、言わなきゃいけないことがあるの」

姉は、思い詰めると人の話を遮るのが玉に瑕である。

「何?」
< 5 / 55 >

この作品をシェア

pagetop