魔法のいらないシンデレラ 3
大きなカードのような名札には『神崎 瑠璃 ママ』と書かれており、その下に今日の日付けや赤ちゃんの身長、体重も記入されている。

すみれの時も同じようにその名札のカードが付いていて、退院の際、瑠璃は大事に母子手帳に挟んで持って帰っていた。

すみれのカードはピンク色だったが、今回は水色だ。

それに気付いた一生は、ハッとして瑠璃を振り返る。

「も、もしかして、男の子?」

瑠璃はニッコリ微笑んで頷いた。

「そ、そうか!男の子か!」
「とうさま、すごーい。よくわかったのね」
「そうだろ?とうさま、すごいだろ?」

得意げに言って、一生はすみれを高く抱き上げる。

「すみれ、弟だぞ!すみれはお姉さんになったんだ」

すみれは、キャッキャッとはしゃいだ声を上げた。
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