うそつきな唇に、キス
ライアー / Hoodlum
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────と、いうことがあって、早一週間。
「あの……、わたし、何しに睿霸のところに来たんでしたっけ……」
「え、えるちゃんモう忘れたと?」
今日もいろんなところに連れ回されたわたしは、最早当初の目的を見失いつつあった。
それもそのはず。睿霸のお宅へお邪魔してからというもの、いろんなゲームをさせられたり、アニメーションを視聴させられたり、はたまた今日みたいに外へ連れ出されて買い物に付き合わされたりしたから。
それに加えて。
「まあそんなことはどウでもいいねん!それよりも、えるちゃん昨日見たアニメどやッた?!おもろかったヤろ?!」
「うえええ、それまた聞きますか……」
ずいっと前のめりになって、ポッキーを齧ったままそう聞いてくる睿霸に関しての、墓場まで持っていかなきゃいけない秘密が、ひとつ増えてしまった。
……や、そもそもわたしに墓場ができるのかどうか、怪しいところではあるのだけど。
「面白かった、と思いますよ。……たぶん、」
「えええ、たぶんってなんやネん。たブん、って」
「あまり物事に関して面白いと思ったことがないんです。何しろ初めて見たので」
「えっ、そウなん?!」
喵家にお邪魔して一日目。
目の前で驚く睿霸の、かなり意外なアニメオタクいう一面を知ってしまいまして。