恋の仕方、忘れました
私がこの部屋に入った時に感じた違和感の原因が分かった。
部屋に飾ってあった裕真さんとの写真や思い出の品が、全て姿を消していたのだ。
別れて一週間で全て処分するお姉ちゃんの仕事の早さにも驚いたけれど、私がもう少し早くここに来ていればお姉ちゃんの異変に気付いてあげられたのにと思うと胸が痛んだ。
どの面下げてそんなこと言ってんだって言われるかもしれないけど、お姉ちゃんが傷付いてる時に傍にいてあげたかった。
「そのことは全然気にしないでね。さっきも言った通り、もう新しい彼氏が出来たし」
笑顔で答えるお姉ちゃんに、私も思わず笑みが零れる。
そして、次に気になるのがその新しい彼氏とやらだ。
さっきは裕真さんのことに驚き過ぎてスルーしてしまっていたけれど、別れて一週間で既に新しい彼氏がいるって普通にすごい。
確かにお姉ちゃんは昔からよくモテた。
こんな感じで、綺麗で優しくて、私と違って癒し要素も備えてる彼女は、学生の頃ファンクラブがあったくらい。
未だモテ続けていることも凄いけど、それよりそんな姉を一瞬でモノにしたその男も気になった。
「その彼がね、バイクの免許を持ってて、それで後ろに乗せてもらったんだ」
「なるほど。どんな人か気になるな」
「それでね、実はね、えっとー、今その彼が、し、寝室にいるんだけど…」
「え?!」
さっきからお姉ちゃんの予想外の発言に驚いてばかりだ。
再び大きな声を出した私の横で、もじもじと歯切れの悪い彼女は、恥ずかしそうにそう零す。
その表情を見て、恐らくその彼は昨日から泊まっていて、しかもああいうこともしたんだうなって事が想像出来た。