恋の仕方、忘れました
「まだ寝てるから、後で紹介出来たらって思ってるんだけど」
「ご、ごめんね。お休みのところにお邪魔しちゃって。私の声大きくなかったかな」
「大丈夫だよ。それに彼、凄く優しいからそんなことで怒らないと思うし」
新しい彼氏を語るお姉ちゃんの表情は明らかに恋をしている女の顔で、私の方まで嬉しくなる。
それでも、裕真さんの話を彼氏がいる部屋でしてもよかったものかと少し心配になった。
「その、裕真さんとのことは、今の彼氏はご存知で?」
小声で問いかける私に、お姉ちゃんはにこりと笑った。
「大丈夫だよ。だってそんな私を慰めてくれたのが彼だもん。号泣しながらコンビニでお酒買ってたらね、声かけられちゃって。そっから朝までずっと話聞いてくれたの。彼がいなかった私今頃やさぐれてた」
どうやら私が心配なんかしなくても大丈夫のようだった。
お姉ちゃんが号泣していたってことに罪悪感を感じるものの、その時支えてくれる人がいたことに安心した。
その時、ふいに聞こえてきたガサガサっという音に、私とお姉ちゃんの視線が一点に集中した。
勿論その音は寝室の方から聞こえたもので、それは新しい彼氏さんが起きたという証拠。
タイミングのいい登場に、どんな素敵な人なのかとドキドキした。