地味子ちゃんはイケメン男子に寵愛されて
chapter*1

throne


【結々side】


「桜羽さん、おはよう」


「お、おはよう」


登校すると、挨拶してくれたクラスメートにぎこちなく挨拶を返す。


頑張って浮かべた愛想笑いは、かなり引きつってると思う。


そのまま席に着くと、こそこそ聞こえる私への陰口。

 
「せっかく挨拶してあげてるのに」


「愛想がなさすぎるし。お高く止まって、いい気なもんだわ」


耳のいい方な私にははっきりと聞こえ、その言葉が胸に突き刺さった。


私は桜羽結々。


分厚い伊達眼鏡に、目が少し隠れるくらい長い前髪。


そして、地味子特有の三つ編み。


ボタンはきっちり全部留め、スカートも膝下。 


どこからどう見ても、地味な人の中でも底辺に属する私。


しかも、人見知りで、女の子とまともに話せない。


男の人は話す以前に苦手。


昔、よく男の子に意地悪されてたから。


その苦手意識は今でも変わらなくて、少し近づかれただけで怖くて顔が強張ってしまう。


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