地味子ちゃんはイケメン男子に寵愛されて
その女の言葉に哀は嘲るように笑ってそう言った。
「どこまで方向音痴なわけ」
「す、すみません」
まぁ、正直俺も呆れていたけども。
返ってきた声は泣きそうだった。
この感じだと、ここが俺達の縄張りだってことを知らなそうだなー。
「それにしても、あんたってここがどういうところか知らないわけ?」
「は、はい。知りません」
「そりゃあ、そうでしょー。でなきゃ、ここに来ないだろーし。そんな度胸もなさそうじゃん」
「確かに」
ここが縄張りだと知らない女がこの学園にいるなんてねー。
本当に驚きだよ。
「君って、俺達のこと知らないでしょ?」
「だから、こんなところに来ただろうし」伊織がそう言うと、その女は頷いた。
「は、はい。知らないです……」
「だろうねー。なぁ、throneって知ってる?」
さすがに名前だけは知っててほしいんだけどなー。
「あ、あの。それって、単語の意味のことですか?」
「「「プッ、アハハ!」」」