地味子ちゃんはイケメン男子に寵愛されて
クラスの様子に苦笑いを浮かべた先生は、すぐにニヤッと笑った。
「そんなお前達に朗報だ。今から席替えするぞ」
暗い雰囲気から一変、一気に賑やかになった。
「それマジ!?」
「おぉ、大マジだ」
「よっしゃー!」
お祭りムードの中、私は重ねてショックを受ける。
席替えなんて……
今の私の隣は葉由ちゃんなんだ。
この席替えで葉由ちゃんと離れちゃうかも。
今のままがいいけど……
「もうクジも作ってあるからな。どんどんクジ引いていけよ」
そんなの無理だよね。
はぁとまたため息をついてしまう。
葉由ちゃんとまた隣になれたらいいんだけどなぁ……
後ろとか斜めとか、近くの席ならいいけど……
離れたら、やだなぁ……
気分は落ち込む一方で、特に期待しないまま私が引く番になった。
「あ、桜羽は菖蒲の分まで引いてやれよ」
「は、はい。分かりました」