地味子ちゃんはイケメン男子に寵愛されて


クラスの様子に苦笑いを浮かべた先生は、すぐにニヤッと笑った。


「そんなお前達に朗報だ。今から席替えするぞ」


暗い雰囲気から一変、一気に賑やかになった。


「それマジ!?」


「おぉ、大マジだ」


「よっしゃー!」


お祭りムードの中、私は重ねてショックを受ける。


席替えなんて……


今の私の隣は葉由ちゃんなんだ。


この席替えで葉由ちゃんと離れちゃうかも。


今のままがいいけど……


「もうクジも作ってあるからな。どんどんクジ引いていけよ」


そんなの無理だよね。


はぁとまたため息をついてしまう。


葉由ちゃんとまた隣になれたらいいんだけどなぁ……


後ろとか斜めとか、近くの席ならいいけど……


離れたら、やだなぁ……


気分は落ち込む一方で、特に期待しないまま私が引く番になった。


「あ、桜羽は菖蒲の分まで引いてやれよ」


「は、はい。分かりました」

< 3 / 104 >

この作品をシェア

pagetop