世界の数よりも君と一緒にいたい
「千世は、言葉の選び方が上手いのかな」

コミュニケーションの取り方が上手だ。

僕にはない、そんなこと。ああ、そうか。きっと僕のコミュニケーション能力は千世に吸い取られてしまったんだ。

「まあ確かにあたしはコミュニケーション能力高いけどさ」

「いや、その自画自賛すごくいらない」

「でもまあ、あたしの言葉の選び方の格差ってよりかは」

「いやいや、何その格差って」

「心晴くんが言ったんじゃん。でさぁ、心晴くんは人とコミュニケーション取らなすぎるから」

「僕だって最低限は……」

「ん〜、最低限じゃ最低限しか身につかないよ。私が言うのは最低限より上の段階の話」

千世が顔を滲ませたような気がした。

「心晴くんは今からあたしとコミュニケーションをいっぱい取って、あたしみたいにコミュニケーション能力上げよう!」

「え、いやそんなに深くは思ってなかったんだけど……」

「いーや、コミュニケーション能力高めて悪いことなんてないんだよ」

「そういうところが千世のコミュ力だな」

「尊敬してくれてもいいよ」

「その言い方だと尊敬しようがないかな」

でも千世と話していて嫌だとは思わない。むしろずっと喋っていたいとさえ感じてくる。
< 30 / 33 >

この作品をシェア

pagetop