君と過ごした世界は、どうしようもなく暖かい
あの子の名前は確か______


ピピピピ。ピピピピ。

「…っう、うるさいなあ」
いつもはアラームをかけない私だが昨日は珍しくアラームをかけた。

昨日の誰もいないクラスが思ったよりも心地よくて、朝早くにいくことを習慣づけようと思ったからだ。

それにしてもアラーム音は慣れない。
いつもより寝起きの悪い朝を迎えながら私は支度をはじめた。

さっき何か懐かしい夢を見ていたような気がするが爆音のアラーム音のせいで忘れてしまった。



こういう事があると夢の中を映画のように見れたらいいのにと時々おもう。

そんなこんなで準備を終わらせ家を出ようとする。

その時ふと近くにある鏡を見た。

少し引きつっているような目、全体的に青白く真っ黒な髪色。こう見るとやっぱり可愛さのかけらもないなと学校に行く前にモチベーションがさがってしまう。

元々容姿が整っている訳でもないがチカを思い出すと少し嫉妬心がうかんでしまう。

くりくりの色素の薄い目元、少し茶髪のようなふんわりとした髪色、健康的な肌色をしていてまさにThe・女の子という感じだ。

私にもそんな容姿があれば名前の意味も変わってきたのかもしれない。
「はぁ」と朝からため息がこぼれた。

そんなことをぐだぐた考えていても何も変わらないというのに。

「いってきまーす」
誰もいない家に向かって声を響かせながら、いつも通り学校に向かった。

学校につくとやはり教室は静かで、心が落ち着く。

いつもこの場所は窮屈というか常に気を張っている感じがしてしまう。だから、この瞬間だけは一息つける。
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