サイコな機長の偏愛生活(加筆修正中)
「本部長、本当に宜しいのですか?」
「あぁ……」
急ぎの会議が向こう四日間ない事もあり、各空港の自社廻りをする事にした。
別に急ぎでする必要も無いし、スケジュールに当面予定されてもいなかった仕事。
フライトで滞在する際にチェックしたりしているから、特別に設けなくてもいい仕事。
けれど今の自分には、これくらい余裕を持たないと社員に八つ当たりしてしまいそうで。
酒井の元に彼女から連絡が来たらしい。
詳しい事情は聞いてないが、焦る様子から何かあった事は察している。
俺から弱音を吐かなければ、酒井はあえて聞いてこない。
プライベートな事に口を挟まないというのもあるが、俺に構うな!的なオーラを出しているのもある。
今は考える時間が欲しい。
自分を見つめ直して、自分の心と折り合いをつける時間を。
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プライベートと仕事をしっかりと区別していたはずなのに、彼女との関係を考え始めた途端に、その境界線が完全に崩壊した。
勤務中なのにもかかわらず、何気ない出来事で彼女を思い出してしまう。
今までこんなに掻き乱される事があっただろうか?
失明になりかけた時でさえ、感情を上手くコントロール出来たのに。
いつの間にか、心の計測器が故障してしまったようで、仕事へと中々切り替わらない。
これが、恋人と婚約者との違いなのだろうか?
完全に安心しきっていた反動で、マイナスな思考に自動変換されてしまっている。
もう少し若かったら、心に余裕があったもしれない。
もう少し自分に自信があったら、彼女とちゃんと話し合いが出来たのかもしれない。
色んな経験をして来たはずなのに、全てリセットされているようで、対処の仕方が分からなくなっていた。