サイコな機長の偏愛生活(加筆修正中)
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結局、郁さんは翌日も帰って来なかった。
暫く考える時間が欲しいと言っていたから、言葉通りに帰って来ないのだと思う。
だって、彼は嘘を吐くのが嫌いだから。
嘘を吐くくらいなら、あえて言わない選択をするはず。
だから、暫く考える時間が欲しいという事は、私には会わないという選択をした事になる。
私が彼を追い詰めてしまった。
まさか、こんな大ごとになるだなんて思ってもみなくて。
自分が蒔いた種だ。
文句も言い訳も出来ない。
久しぶりの休日なのに、彼の帰宅を待つ事も出来ず。
彼のために食事を作る事も出来ない。
掃除や洗濯はしたけれど、生活感のあまり無い家だから、その張り合いも無い。
呆然と時が流れるのを待つだけ。
こういう時に限って、職場からの呼び出しが無いのが悲しくなる。
怒られてもいい。
詰られてもいい。
どんな彼でもいいから逢いたい。
そして、心から謝罪したい。
葛城先輩の言葉が突き刺さる。
彼が私の元に戻って来てくれたという事実を、当たり前のように思い違いをしていた。
例え両想いだったとしても、違う人生を歩む決断だって出来たはずだから。
見合い話なら腐るほどあるだろう。
経済的にも有利に働き、公私共に支えれる存在になれる人が。
私なんて、彼に負担をかけてばかりだ。
家事も疎かだし、料理だって決して上手とは言えない。
顔を合わせる時間だって、頑張って作らなければ、すれ違い生活は否めない。
私と一緒にいて、彼にプラスになる事があるのだろうか?
考えれば考えるほど、惨めになる。
このまま彼からフェードアウトした方がいいように思えて来る。