極上タラシオトコの本気を引き出す方法
そして、2週間後の金曜日夜。
美紀さんに土下座して謝り、婚約破棄を願い出て、
納得しきれない彼女を残して家を出て、
翌日土曜の朝。
俺は莉子の家へ向かった。
玄関に立って、莉子の誕生日のときのことを思い出す。
あの時はこのベルを鳴らせなかった。
でも今日こそは、莉子に本当の気持ちを伝えて、自分に正直に生きよう。
その覚悟を決めて俺はベルを鳴らした。
「はーい?!連絡してくれればよかったのに〜!」
「も〜!またかくれんぼ!」
早川先生に向けた言葉で少し傷つきながらも、莉子の明るい久しぶりの声に心が震えた。
ドキドキしながら待つとガチャと扉が開いて、俺の瞳は1年ぶりに莉子姿を捉えた。