君が生まれ変わっても

けれど、そんな僕の意図は美穂さんにはつたわらなかったみたいだ。



「あら、知らなかったわ………伊東君って、凄いのね」



ちょっと美穂さん!何か誤解してませんか?僕の言った意図、分かってます?


「それだったらちょうどいいわ!伊東君、アルバイトを探しているのなら私の娘の家庭教師をやってくれないかしら?勿論月謝はお支払いするわ!」



「ええ、それは願ってもない事で………ちなみにお嬢さんはおいくつですか?」



「娘は十四なんだけど、こっちもいろいろ訳アリでね、出来れば私のよく知る人に家庭教師をしてもらいたいのよ」



「よく知る人って………僕と美穂さんが会ったの今日が初めてですよ?」


「大丈夫。私、こう見えても人を見る目だけには自信があるの♪それに、私の事を『美穂さん』なんて呼ぶの、伊東君位よ?」



しまった!親しみを込めるつもりが、墓穴を掘った!



けれど、十四歳の勉強位ならなんとか教えられるだろう………月謝も貰えるというし、結果オーライという事か………



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