君が生まれ変わっても
「……ると!おーい、遥人!」
目覚めるとそこは病院で、僕の前には牧村の顔があった。
「牧………村………」
「良かった!お前、山の麓で倒れているのを救急車で運んで貰ったんだぞ!覚えてるか?」
山の麓?…………僕は確か、車で事故を起こした筈じゃ……………
「ところで遥人、お前今までどこに行ってたんだ?ここに運ばれる前、暫く行方不明だっただろ?」
暫く行方不明で、その後山の麓で発見された………それは、僕が異世界に飛ばされた時間軸とほぼ適合する。
「実はな牧村、俺今まで異世界にいたんだ」
牧村がさぞかし驚いているだろうと彼の顔を見ると、牧村は特別驚くでもなく呆れたような顔で呟いた。
「まったく、おおかた夢でも見たんだろうさ。お前、結構長い間意識が無かったから」
「夢なんかじゃない!俺は、ついさっきまで異世界にいたんだよ!」
「だから、それが夢だって言うんだよ。
お前、あのイッセー中村ってのに影響受け過ぎなんだってば」
牧村は、僕の言う事を全く信じていなかった。それに、僕の言う事が真実だと証明出来るものは何ひとつ無かった
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