⑥姫は成瀬くんに守られたい✩.*˚
 その日の夜、部屋のベッドでごろんとしながら今日の出来事を振り返った。

 本当に怖かった。
 成瀬くんがあの時来てくれなければ、私はどうなっていたのだろうか。
 
 成瀬くんと繋いだ手。
 温かい成瀬くんの手の感触がまだ残っている。

 走った時に彼と繋がっていた右手を、私は見つめた。

 ちょっとだけ、彼が私の騎士になっている姿が手のひらの中にぼわっと浮かんでくる。 

 そういえば成瀬くん、根本くんについて私に何か話をする途中だったよね?
 今日起こった出来事も、偶然じゃないって言ってた気がする。

 あっ、そういえば根本くんはどうしたんだろう。成瀬くんと私が逃げる直前、倒れてたけど、大丈夫かな?
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