⑥姫は成瀬くんに守られたい✩.*˚

最終話 それから

 成瀬くんが私の騎士になってから、1週間がたった。

 姫と男子生徒の寮は別の棟。姫たちが過ごす豪華な棟に選ばれた騎士たちは移動してきた。成瀬くんの部屋は私の隣の部屋に。

 授業が終わり、一緒に寮へ戻る途中、彼に訊いてみた。

「そういえば、叙任式の時に講堂で流した音声、よくあの会話録音してたよね?」

「あぁ、一応あぁいう会話になるだろうなぁって根本と話す前から予想して、録音しといた。でもその音声を使うことなんてないだろうなって思ってたけど」
「そうだったんだ……。あとね、ちょっと気になったんだけど、式の時に根本くんに何か見せてたよね? 何を見せてたの?」

「ん? 見る?」

 部屋の前に着き、立ち止まる。
 
「部屋、入るぞ?」
「うん、いいよ」
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