鎖に繋がれた月姫は自分だけに跪く竜騎士団長に焦がれてやまない
「なんだなんだ……結局、顔か? まあ、良い。それも俺の持っているものには、違いない。人の印象というものは、結局は心の持ちように左右される。自信のない美形より、自信のある並の顔が魅力的に見えるのは当然のことだ。まあ、だから外見が好みということは、俺の中身も好きなんだろう。とりあえず、そういうことにするわ」

 撫然とした表情で無理に自分を納得させるようにしてそう言ったので、オデットは笑いを堪えることが出来なかった。

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