鎖に繋がれた月姫は自分だけに跪く竜騎士団長に焦がれてやまない

29 許可

「キース。結婚のお許し……あっさり、貰えちゃいました」

 後日、オデットが国境にある砦を救った戦果の褒美にと、国王へとキースと結婚したいと望んだ。

 ヴェリエフェンディへと来て最初会った時には考えられないほどに、態度が軟化していた王は二つ返事で願いを聞き届けると約束してくれた。

 国王のお墨付き有りで、王族の身分にあるキースに嫁ぐ事が許された。喜びに頬を紅潮させたオデットは、後ろでパタンと謁見室の大きな扉は閉められて、隣を歩くキースと二人帰宅するために城の広い廊下を歩き出した。

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