だって、君は俺の妻だから~クールな御曹司は雇われ妻を生涯愛し抜く~
さすがに誰もいない家に異性を招き入れる真似はできず、私たちは近くを散歩しながら話す流れになる。夕飯でもと言われたが、そんな気分にはなれず、彼も了承してくれた。
辺りはすっかり夜に染まり、昼間の雰囲気とはがらりと違っている。吐く息はかすかに白く、コートを羽織っていても首元が異様に冷たく感じられた。
「高校のときも、あんな別れ方をしてごめん」
「もういっぱい謝ってもらったよ」
彼の口から出るのは謝罪の言葉ばかりで、苦笑しながら受け止める。
近所にある公園に足を踏み入れると、さすがに時間も時間で他の人の姿はなかった。
「あのとき、両親の言うことがすべてで瑠衣を守れなかった。俺から付き合おうって言ったのに……」
私と別れてから、母親からの勧めと本人からのアプローチもあり、有沢さんと付き合って婚約まで話が進んだが、町原くんの中にある違和感が消えなかったらしい。
「希子は俺自身が好きなんかじゃない。俺が医者の息子で、病院の跡継ぎだから結婚したいだけなんだ。母が希子を気に入っているのも、彼女の家が会社を経営しているからだっていろいろと気づいた」
それについてはなにも言えない。有沢さんの本当の気持ちは知らないし、ふたりの問題に私が口を出す権利はない。
蛍光灯の下にふたり並んで向かい合う。そろそろ戻ろう。そう言おうとしたときだった。
辺りはすっかり夜に染まり、昼間の雰囲気とはがらりと違っている。吐く息はかすかに白く、コートを羽織っていても首元が異様に冷たく感じられた。
「高校のときも、あんな別れ方をしてごめん」
「もういっぱい謝ってもらったよ」
彼の口から出るのは謝罪の言葉ばかりで、苦笑しながら受け止める。
近所にある公園に足を踏み入れると、さすがに時間も時間で他の人の姿はなかった。
「あのとき、両親の言うことがすべてで瑠衣を守れなかった。俺から付き合おうって言ったのに……」
私と別れてから、母親からの勧めと本人からのアプローチもあり、有沢さんと付き合って婚約まで話が進んだが、町原くんの中にある違和感が消えなかったらしい。
「希子は俺自身が好きなんかじゃない。俺が医者の息子で、病院の跡継ぎだから結婚したいだけなんだ。母が希子を気に入っているのも、彼女の家が会社を経営しているからだっていろいろと気づいた」
それについてはなにも言えない。有沢さんの本当の気持ちは知らないし、ふたりの問題に私が口を出す権利はない。
蛍光灯の下にふたり並んで向かい合う。そろそろ戻ろう。そう言おうとしたときだった。