だって、君は俺の妻だから~クールな御曹司は雇われ妻を生涯愛し抜く~
『だからね、瑠衣さんを紹介されたとき、なんとなく裏があるってわかっていたの』

『なら、どうして……』

 まだ状況に頭がついていかない。けれど混乱する私に光子さんはきっぱりと言い放つ。

『あなたが相手だったから。瑠衣さんと話して、今まで久弥のそばにいた人間とは違う。TOGAコーポレーションや彼の生い立ちも関係なく、対等に久弥と接してくれるんじゃないかって思ったの。だから知らないふりをして巻き込んだのは私よ。孫可愛さに、瑠衣さんの優しさにつけ込んでごめんなさいね』

 小さく首を横に振る。私は光子さんになにかを期待されるような人間じゃない。

『あまりにもぎこちないなら私からなにか言おうと思ったわ。でもね、あの子、あなたと結婚して変わったの。本当よ。柔らかくなったというか、まとう空気が優しくなった。瑠衣さんのおかげだと思っている』

『そんな……久弥さんはもともと優しくて、すごく真面目な人です』

 つい反論して我に返る。目を見張る光子さんに、出すぎた真似をしてしまったと反省していたら、光子さんはなんだか泣きそうな顔で笑った。

『ありがとう。でも瑠衣さんの気持ちもあるのに、申し訳なかったわ。結婚指輪のサイズも合っていないのに、黙ってつけていてくれて……』

 光子さんの指摘にドキリとする。なにげなくつけていたが、光子さんには気づかれていたらしい。やはり彼女の観察眼はすごい。
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