まんまるお月様とおおかみさんの遠吠え①~人狼夫たちとのドタバタ溺愛結婚生活♥~
「なんで、狼の姿になっているんですか?」

「……いきなり、人の姿の俺が横で寝てたら。起きた時に、びっくりするだろ」

 横に寝るのは決定事項なんですね。彼は照れたようにして、私の頬を軽く甘噛みした。

「雨が……」

 私が寝てしまった間に、土砂降りになってしまったみたいで、外の雨音がすごい。

「そうだな。外出していた春はさっき帰ってきたみたいだが……」

 理人さんは大丈夫だろうか? 皆の口振りでは、この巣には車は一台しかないみたいだし、徒歩だとしても……これだけ降っていたら……。

「あの。理人さんは、どこに行かれたんですか?」

 ずぶ濡れになっていないか心配になって聞くと、雄吾さんは一瞬間を置いてから答えた。

「……あいつが帰って来たら、聞くと良い」

 間近にある黒色の大きな瞳からは自分はそれ以上は言わない、という強い意志を感じた。

 なんだが手持ち無沙汰になった私は、雄吾さんの顎の下にある柔らかな毛を触った。ふわふわしてて気持ち良い。

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