まんまるお月様とおおかみさんの遠吠え①~人狼夫たちとのドタバタ溺愛結婚生活♥~

021 お昼寝

 何か、ふわふわしたものに体が包まれて、私は微睡んでいた。安心して体を任せられる、強い安心感。そう言えるもの。

 目を開けて、真っ先に思ったのは、部屋の中が暗かった。かなりの時間を、寝てしまったのかもしれない。

「……起きたか」

「ん? 雄吾さん?」

 私は、思わず目を擦った。大きな黒色の狼が、私の傍で寝ていたからだ。

 私が眠り込んでしまったソファから身体は移されて、真新しい白いシーツが敷かれた大きなベッドに寝ていた。

 その狼は私の身体の二倍はあるくらいに大きくて、黒い毛皮は手触りが良くてももふもふだし、温かくて、私は我知らぬまま身を寄せてしまっていたみたい。

 寝てしまっている時に感じた心安らぐ安心感は、これのおかげだったんだなと思った。

「まだ……それほど時間は経っていない。夕飯になるまで、もう少し寝ていろ」

 ふわっと黒い尻尾を動かして、今日は掃除を手伝うために動きやすいジーンズを履いていた私の足の上に乗せた。

「ごめんなさい。雄吾さんの部屋で、寝てしまうなんて」

「……俺は現在お前の夫のはずだが、寝てしまって何か問題あったか?」

「でも」

「疲れているんだろ。気にしなくて良いから、寝ろ」

 雄吾さんはすげなく言うと、大きな口で私の頭を甘噛みした。全然痛くなくて何故か優しささえ感じてしまった。

 ふふふ、っと笑ってしまったら大きな黒い目が細まる。

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