まんまるお月様とおおかみさんの遠吠え①~人狼夫たちとのドタバタ溺愛結婚生活♥~
 彼はそう言って、黒い目で私をじっと見た。ドアがいきなり開いたのは、その時だ。

「あーーー! 俺が頑張って晩ご飯作ってる間に、いちゃいちゃしてる! 抜け駆け!」

 大きな声に雄吾さんはもう一度大きく溜め息をついて、扉に手を付いている春くんを見た。

「今日はなんだ」

「ご馳走! だって、透子に食べさせるんだから、そうなるだろ?」

「春くん。私普通のご飯で良いよ」

「とりあえず、食べて。お腹すいたでしょ?」

 春くんはこちらに駆け寄って手を差し出し、私も笑顔でその手を取った。

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