まんまるお月様とおおかみさんの遠吠え①~人狼夫たちとのドタバタ溺愛結婚生活♥~

022 傷

「春くん、美味しい」

 ご馳走の名に相応しい種類と量の料理が、所せましと食卓に並んでいる。どれも美味しいからあれもこれもと食べていたら、すぐ太ってしまいそうだ。

「でしょー? 俺天才だよね!」

「あまり、おだてるな。こいつはすぐ調子に乗るぞ」

「雄吾はもう食べなくて良いよ」

 私は雄吾さんと春くんの言い合いを笑って眺めながら、手作りだというローストビーフを口にした。

 その時、二人の頭の上にある耳が、大きく動いた。

「……帰って来たね」

「ああ」

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