まんまるお月様とおおかみさんの遠吠え①~人狼夫たちとのドタバタ溺愛結婚生活♥~

024 練習そのに

 理人さんの色気のある声音に、少しだけ怖気付きつつ答えた。

「だって、頬が痛いかもしれませんよ」

「別に平気です。痛みには強いので……血が出てるから、キスはしない方が良いかな……」

 キスじゃなかったら何します? 私は頬が熱くなるのを感じた。

「じゃあ、僕の体に慣れて貰いたいので……脱いでも、良いですか?」

「う、そのあの」

「大丈夫ですよ。透子さんの体には、僕は触らないようにします」

 そう言うと理人さんは、寝間着代わりの高級そうな黒いスウェットを脱いだ。

 思わず、私は息を呑んでしまう。理人さんは顔もそうなんだけど、美術品みたいに美しい体だったからだ。

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