まんまるお月様とおおかみさんの遠吠え①~人狼夫たちとのドタバタ溺愛結婚生活♥~
「ふふっ。そうだよね。私も好き」

 春くんは一瞬、動きを止てるとぶわぁっと顔を赤くした。可愛い顔が、一気に染まる。

「……ん? 何か変なこと言った?」

「……透子が好きとか……言うから」

「ふふっ。本を読むのが、だよ?」

「じゃあ、俺のことは?」

「……好きだけど」

 春くんは深呼吸すると、なぜかストレッチを始めた。

「やばい。透子からの好きはやばい」

「ふふ。なんか、大袈裟だよ。もう結婚もしてるのに」

「でも、俺達のこと……好きだから選んだ訳じゃないだろ?」

「……どうかな」

 探るような彼の言葉を曖昧な言い方で誤魔化すと、春くんはくしゃくしゃの髪をもっと乱した。

「そこ気になるんだけど、俺自慢じゃないけど……女の子とこんな風に親密に話すのなんか、透子が初めてだからね!」

「春くん……女の子の扱いが慣れてそうなのに」

「一応、夫になるために夫コース取ってたから。ちゃんと勉強してたし、女の子のして欲しそうなことがわかるだけ。慣れてそうに見えるのは、必死で照れを隠してるから。納得した?」

「ふふ、わかった。納得」

 くすくす笑うと、春くんは真っ赤な顔したままむくれた。

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