まんまるお月様とおおかみさんの遠吠え①~人狼夫たちとのドタバタ溺愛結婚生活♥~
 彼が寝転んでいたソファの方に声をかけた春くんに、難しい表情の雄吾さんはため息をつきながら答えた。

「……いや。今日は午後から市場が、大きく動きそうだから。俺は無理。お前達だけで行って来てくれ」

「おっけー。大変じゃん。俺は、正直嬉しいけどね。透子を、独り占めできるし」

 春くんが、にまっと大きな口で笑う笑顔が可愛い。

「そっか! せっかくデートするんだったら、お洒落したい。春くん。私の服選んでくれる?」

「もちろん、良いよー! でも、今日はせっかく服屋行くから。脱ぎ着しやすい方が良いから、薄い青のデニムと、この前着ていた薄いラベンダーのニットはどう? 俺も色合わせようかな。あ、でも……反対色でも良いよな……」

 私の着る服を即決し、その横に並ぶ自分の今日着る服を悩みはじめた春くんを見ながら、私は甘いカフェオレを飲んだ。

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