まんまるお月様とおおかみさんの遠吠え①~人狼夫たちとのドタバタ溺愛結婚生活♥~

 何度かした後で私の手を引いて、ベッドに導いた。ベッドに座ると立っていた私を横座りにさせて、もう一度触れるだけのキスを始めた。

「よりにもよって、あの凛太か。なるほどな。あいつなら、確かに理人の匂いだからって臆さないだろうな」

「あの、確か凛太さんも……」

「そう。あいつも俺と同じ、不死者と呼ばれるもの。だな」

 まるで自嘲するかのような、彼の表情に何故か胸が痛くなる。雄吾さんは……自分の能力を、あまり好きではないのかな?

「……ごめんなさい。私が春くんに……ちゃんと言えば良かったんですけど」

「良い。こういう事態を招いた春には、後でお仕置きだな」

 首を傾げてふっと笑った雄吾さんの顔に、私は目を見開いた。

「ダメです。黙っていた私のせいで、春くんがお仕置きを受けるなんて」

 結果的に目を離したようになったのは、春くんのせいじゃなくて、私が自分から彼から離れてしまったからだと今でも思う。

「じゃあ、透子が罰を受けるか?」

 雄吾さんの、どこか試すような顔に私はゆっくりと頷いた。

「えっと……それって、痛いことですか?」

 色んなことを想像してしまって語尾が細くなった言葉に、面白そうに雄吾さんは首を傾げた。

「そうだな……何にしようか」

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