まんまるお月様とおおかみさんの遠吠え①~人狼夫たちとのドタバタ溺愛結婚生活♥~
045 海の見える場所
今日、理人さんは仕事。春くんは何かの用事があると言って朝早くから出掛けていて、私は自室でトレーダーの仕事をしている雄吾さんの部屋で大人しく本を読んでいた。
パソコンの前で仕事をしている雄吾さんの方から聞こえる、カチカチと断続的に響くマウスの音が心地良い。
読んでいた本から目を離してこっそりと雄吾さんの横顔を見ると、細いフレームの眼鏡を掛けていて、仕事の出来る男の風情だ。
あのカチっというワンクリックで私には信じられないくらいのお金が動いているんだから、本当すごい世の中。
「……どうした?」
自分を見ている目線に気がついたのか、雄吾さんは顔を傾けて私を見て来た。
「えっと、ごめんなさい……何でもないです」
「……そろそろ昼か。何処かに食べに行くか?」
パソコンの画面を見ながら、雄吾さんは時間を確認した。私も部屋にある大きな時計を見ると、正午の少し前だ。
「え? 外出しても、良いんですか?」
「……ああ。まだ十分に、理人の匂いも付いているからな」
パソコンの前で仕事をしている雄吾さんの方から聞こえる、カチカチと断続的に響くマウスの音が心地良い。
読んでいた本から目を離してこっそりと雄吾さんの横顔を見ると、細いフレームの眼鏡を掛けていて、仕事の出来る男の風情だ。
あのカチっというワンクリックで私には信じられないくらいのお金が動いているんだから、本当すごい世の中。
「……どうした?」
自分を見ている目線に気がついたのか、雄吾さんは顔を傾けて私を見て来た。
「えっと、ごめんなさい……何でもないです」
「……そろそろ昼か。何処かに食べに行くか?」
パソコンの画面を見ながら、雄吾さんは時間を確認した。私も部屋にある大きな時計を見ると、正午の少し前だ。
「え? 外出しても、良いんですか?」
「……ああ。まだ十分に、理人の匂いも付いているからな」