まんまるお月様とおおかみさんの遠吠え①~人狼夫たちとのドタバタ溺愛結婚生活♥~
そうだ。とても良く似ているとは言え、この異世界は私が生まれ育った日本ではない。
彼らだって、最初からそう言っていた。言葉も通じて容易に意思疎通することが出来てしまうから、どこか不思議なこの状況に考えることをやめていたけれど。
私はここでは異世界からやって来た外部の人間で、そしてこの世界に住む彼らにどう遇されるかも良く分からない状態なんだ。
「お待たせしました」
先程のサラリーマン風の男性が、品の良い初老の男性を連れ部屋に入って来た。笑うと目尻に皺が入り、歳上の人をこんな風に形容するのは失礼かもしれないけれど、なんだか大型犬っぽくて人懐こそうな人だった。
「こんにちは。私はこの深青の里の族長、飛鳥と申します。貴女に、この世界についての説明をするために参りました」
私の顔は、それを聞いて緊張で強張っていたと思う。それを敏感に察したのか、先程の彼に手で合図して人払いをして、飛鳥さんと私はその部屋に二人きりになった。
「あの……私は、これからどうなるんですか……?」
思わず震えてしまった声の私の泣きそうな眼差しを受けて、飛鳥さんは安心させるように優しく微笑んだ。
そして、柔らかな声音で宣告をした。
「……貴女は、もう元の世界には戻れません」
彼らだって、最初からそう言っていた。言葉も通じて容易に意思疎通することが出来てしまうから、どこか不思議なこの状況に考えることをやめていたけれど。
私はここでは異世界からやって来た外部の人間で、そしてこの世界に住む彼らにどう遇されるかも良く分からない状態なんだ。
「お待たせしました」
先程のサラリーマン風の男性が、品の良い初老の男性を連れ部屋に入って来た。笑うと目尻に皺が入り、歳上の人をこんな風に形容するのは失礼かもしれないけれど、なんだか大型犬っぽくて人懐こそうな人だった。
「こんにちは。私はこの深青の里の族長、飛鳥と申します。貴女に、この世界についての説明をするために参りました」
私の顔は、それを聞いて緊張で強張っていたと思う。それを敏感に察したのか、先程の彼に手で合図して人払いをして、飛鳥さんと私はその部屋に二人きりになった。
「あの……私は、これからどうなるんですか……?」
思わず震えてしまった声の私の泣きそうな眼差しを受けて、飛鳥さんは安心させるように優しく微笑んだ。
そして、柔らかな声音で宣告をした。
「……貴女は、もう元の世界には戻れません」