まんまるお月様とおおかみさんの遠吠え①~人狼夫たちとのドタバタ溺愛結婚生活♥~
 直接的な言葉を言えなくて、言葉を濁す私に、彼はああと頭を優しく撫でながら囁いた。

「俺は良い。お前を気持ち良くして、眠らせてやりたかっただけなんだ」

「……でも」

「……透子がしたいならするし、したくないならしない。俺はもう、それで良いんだ」

「……ずるいです」

「何が?」

「そんな……私に全部の決定権があるみたいな」

「その通りだよ。俺はお前が一番大事で、自分のことより何より優先なんだ。お前が望むことなら、なんでもしてやりたい」

「……雄吾さん……その」

「なんだ?」

「……して、ください」

 言い辛くて小さな声で語尾が消えてしまった私を抱きしめて、彼は髪の上からキスをした。

「お望み通りに」

 くちゅりと音がして雄吾さんが、もうぐずぐずに濡れていた私の入口へと入り込んだ。ゆっくりと、身体を気遣うような動き。

 もどかしいほどの優しい刺激に、体をくねらせて思わず言ってしまった。

「……はぁはぁ、雄吾さんっ。もっと動いて……もっと、して?」

「好きだよ。透子」

 水音は激しさを増して、私の喘ぎ声も遠慮なく大きくなる。

< 243 / 287 >

この作品をシェア

pagetop