まんまるお月様とおおかみさんの遠吠え①~人狼夫たちとのドタバタ溺愛結婚生活♥~
051 退院
「透子~! おはよ。大丈夫だった?」
私は病室に入るとすぐに、起き立てっぽい春くんに駆け寄った。もう腕に刺されていた輸血の点滴は抜けているし、血色も良さそう。
「私は……っ、全然大丈夫っ……けど、春くんっ」
春くんが能天気に笑うその姿に、思わずまた涙ぐんでしまった私は彼にあははと朗らかに笑われた。
「ごめん。こうして俺があの能力を使って倒れるのは、本当にいつものことなんだ。今回は思ったより敵の数多くて、完全に手間取った。今朝も理人にめちゃくちゃ怒られたから。雄吾は、もうお説教勘弁して」
「……理人は、来ていたのか」
「うん。今来た二人と、擦れ違いくらい。それより、透子……雄吾の匂いがするね?」
私は、こくんと喉を鳴らした。
そうだ。こういう事って鼻の良い春くんには、もうわかってしまうんだ。
なんだか、申し訳なくなってしまって、もじもじとしてしまう。彼が倒れて大変だった時に、雄吾と何してたんだって思われてしまいそうで……。
「やったー! 次俺の番だよね!? すっごい嬉しい。透子、いつする? 俺は今夜でも良いよ!」
私は病室に入るとすぐに、起き立てっぽい春くんに駆け寄った。もう腕に刺されていた輸血の点滴は抜けているし、血色も良さそう。
「私は……っ、全然大丈夫っ……けど、春くんっ」
春くんが能天気に笑うその姿に、思わずまた涙ぐんでしまった私は彼にあははと朗らかに笑われた。
「ごめん。こうして俺があの能力を使って倒れるのは、本当にいつものことなんだ。今回は思ったより敵の数多くて、完全に手間取った。今朝も理人にめちゃくちゃ怒られたから。雄吾は、もうお説教勘弁して」
「……理人は、来ていたのか」
「うん。今来た二人と、擦れ違いくらい。それより、透子……雄吾の匂いがするね?」
私は、こくんと喉を鳴らした。
そうだ。こういう事って鼻の良い春くんには、もうわかってしまうんだ。
なんだか、申し訳なくなってしまって、もじもじとしてしまう。彼が倒れて大変だった時に、雄吾と何してたんだって思われてしまいそうで……。
「やったー! 次俺の番だよね!? すっごい嬉しい。透子、いつする? 俺は今夜でも良いよ!」