まんまるお月様とおおかみさんの遠吠え①~人狼夫たちとのドタバタ溺愛結婚生活♥~
 今は理人さんと雄吾さんの二人は忙しいから、なるべくこの巣の中に居るように言われている。

 昼間のパン屋さんはここから近いし、人もいっぱい居るだろうからって特別に許してもらっていたのだ。

「透子。どうした。夕食にも出てこなかったし……体調でも、悪いのか?」

 私は俯いたままで、雄吾さんの大きな胸に飛び込んだ。

「やっぱり、何かあったのか?」

「なんでもないです」

 ぎゅっと抱きついたまま離れない私の頭を、彼はポンポンと優しく叩いた。

「そうか。まあ、言いたくないことなんだな……まだ仕事があるけど、俺の部屋で寝るか?」

「……今日は……やめておきます」

 私はその優しい言葉に心惹かれながらも、もう一度だけぎゅっと強く抱きついた。

 春くんへ感じたやきもちを消化するのに、雄吾さんのところに行くのはなんだか、違う気がしたのだ。


◇◆◇


 私は夕ご飯を終えたら、リビングの大きなテレビの前でごろごろするのを日課にしていた。

 けど、ご飯を食べて自分の後片付けを済ませると、急いで自分の部屋へと帰るようになってしまった。

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