まんまるお月様とおおかみさんの遠吠え①~人狼夫たちとのドタバタ溺愛結婚生活♥~
 沢山の人に会って選ぶのに疲れていたし……あの三人以上の人は見つけられそうにない。大分疲れていたし、その事を心のどこかで悟っていた私は、静かにこくんと頷いた。

 なんでも良いから。あの三人の居る日本家屋の温かな居間に、早く戻りたかった。

「わかりました。それでは、すぐに手配しましょう。彼ら三人に透子さんを迎えに来るように連絡致します……まあ、飛んでくるでしょうがね。もうそれで、宜しいですね?」

「はい」

 この時に、私は彼らを選んだ。彼らと過ごしたのはほんの一時だ。誰かが聞けばそんなことで、と思われるかもしれない。

 けれど、私は確かに自らの意思で、彼らを選んだんだ。


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