まんまるお月様とおおかみさんの遠吠え①~人狼夫たちとのドタバタ溺愛結婚生活♥~
007 お迎え
「透子!」
「春くん」
大きな音を立てて私の私室として与えられていた部屋のドアを開き、入ってくるなり私に飛びつこうとした春くんは、すかさず後ろに居た雄吾さんに首を掴まれて、ぐえっと変な声を出した。
「……迎えに来ました」
涙目になった春くんと叱るような目つきの雄吾さんの二人の脇をするりと通り抜け、理人さんが椅子に座ったままだった私の前に跪いて、手を差し出した。
綺麗で大きな、温かい手。優しい手を取りながら、彼の灰色の目を見てなんだか私は泣きそうになってしまった。
「……ごめんなさい」
「なんで、謝るんですか」
理人さんは、あくまで優しい口調だ。彼は出会った時から、ずっと優しい。
「……貴方達が困るんじゃないかと、思いました」
私は唇を震わせて、俯いた。それを聞いた理人さんは軽く目を見開き肩を竦めて、微笑んだ。
「いいえ……まったく困りませんよ。まさか僕たちが、こんなに可愛い妻を得ることになるとは……さっきまで思っていませんでしたが」
さらっと理人さんは、私を可愛いと言った。それを聞いて、なんだか顔が赤くなったと思う。どれだけ記憶の中をさらったとしても、こんな美形の人に褒められたことなどはない。無性に、恥ずかしくなってしまった。
「理人、わかっているな」
飛鳥さんは私の前で見せる優しい表情ではなく、厳めしい顔付きで理人さんに向かって言った。
「春くん」
大きな音を立てて私の私室として与えられていた部屋のドアを開き、入ってくるなり私に飛びつこうとした春くんは、すかさず後ろに居た雄吾さんに首を掴まれて、ぐえっと変な声を出した。
「……迎えに来ました」
涙目になった春くんと叱るような目つきの雄吾さんの二人の脇をするりと通り抜け、理人さんが椅子に座ったままだった私の前に跪いて、手を差し出した。
綺麗で大きな、温かい手。優しい手を取りながら、彼の灰色の目を見てなんだか私は泣きそうになってしまった。
「……ごめんなさい」
「なんで、謝るんですか」
理人さんは、あくまで優しい口調だ。彼は出会った時から、ずっと優しい。
「……貴方達が困るんじゃないかと、思いました」
私は唇を震わせて、俯いた。それを聞いた理人さんは軽く目を見開き肩を竦めて、微笑んだ。
「いいえ……まったく困りませんよ。まさか僕たちが、こんなに可愛い妻を得ることになるとは……さっきまで思っていませんでしたが」
さらっと理人さんは、私を可愛いと言った。それを聞いて、なんだか顔が赤くなったと思う。どれだけ記憶の中をさらったとしても、こんな美形の人に褒められたことなどはない。無性に、恥ずかしくなってしまった。
「理人、わかっているな」
飛鳥さんは私の前で見せる優しい表情ではなく、厳めしい顔付きで理人さんに向かって言った。