まんまるお月様とおおかみさんの遠吠え①~人狼夫たちとのドタバタ溺愛結婚生活♥~
「俺たちも、黙って妻の君を渡すつもりはない。ゆっくりと、覚悟を決めてくれたら、それで……」

「します」

「え?」

 彼の言葉を遮ってそう言えば、雄吾さんは呆気にとられた表情になっていた。

「私。匂いつけ、します。してください」

「だが……嫌がっている雌に交尾を求めるのは、妻だからこそというかそういう行為は俺たちの世界では禁忌とされているんだ。俺たちも別に急いではないから」

「それは……私の世界でも、一緒でした。でも……私は覚悟、します」

「だが……」

「お願いします、よろしくお願いします」

 雄吾さんは私の覚悟を決めた目を見て、どうしようか思案するように形の良い眉を寄せた。

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