まんまるお月様とおおかみさんの遠吠え①~人狼夫たちとのドタバタ溺愛結婚生活♥~
010 覚悟
とりあえず、覚悟を決めた私は眠っていた部屋を出ることにした。里の方でいくつか普段着用に用意してもらった服を荷物から出して、丈の長いスカートと長袖のシャツに着替えて三人が待っている居間へと顔を出した。
「……雄吾から、話は聞きましたが……」
「その……透子は、泣いちゃうくらいなんだから、匂いつけが嫌なんだよね? 良いんだよ。別に無理はしなくても……俺たちは結構人狼の中でも強いから。透子一人くらいなら、何があったとしても、守り切れるとは思うし……」
居間で寛いでいた理人さんと春くんの二人が、慌てて私に言ってくる。それを聞いて小さく首を振った。
「えっと、わかっています。あの、全く見知らぬ人よりかは……私は皆さんの方が良いので……里で夫候補を選んでいる時から、いずれはそういうことになるんだろうって、思っていましたし」
私の顔は、とても赤くなっていたと思う。
本人たちを前にとても言い難いことを言うから、つっかえつつ話したけれど、三人は黙って神妙な顔をして話を聞いてくれた。
「……だが……透子さんの気持ちは……」
「大丈夫です。この人狼の世界に来たってことは、いつか……そうなるような運命だったんだって思うようになりました。全員の身の危険と、私一人のわがままを天秤にかけるようなことはしたくないです。それに……結婚したって事は早いか遅いかだし」
「……雄吾から、話は聞きましたが……」
「その……透子は、泣いちゃうくらいなんだから、匂いつけが嫌なんだよね? 良いんだよ。別に無理はしなくても……俺たちは結構人狼の中でも強いから。透子一人くらいなら、何があったとしても、守り切れるとは思うし……」
居間で寛いでいた理人さんと春くんの二人が、慌てて私に言ってくる。それを聞いて小さく首を振った。
「えっと、わかっています。あの、全く見知らぬ人よりかは……私は皆さんの方が良いので……里で夫候補を選んでいる時から、いずれはそういうことになるんだろうって、思っていましたし」
私の顔は、とても赤くなっていたと思う。
本人たちを前にとても言い難いことを言うから、つっかえつつ話したけれど、三人は黙って神妙な顔をして話を聞いてくれた。
「……だが……透子さんの気持ちは……」
「大丈夫です。この人狼の世界に来たってことは、いつか……そうなるような運命だったんだって思うようになりました。全員の身の危険と、私一人のわがままを天秤にかけるようなことはしたくないです。それに……結婚したって事は早いか遅いかだし」