まんまるお月様とおおかみさんの遠吠え①~人狼夫たちとのドタバタ溺愛結婚生活♥~
「匂いつけを……出来るとは、考えていなかったんです。ですので、無作法なことをしてしまうかもしれません」

「……あの、ああいうのって……作法とかあるんですか?」

 素朴な疑問だった。この年齢になっているので、男女がどういう事をすれば子どもが出来るのかはわかっている。話を聞く限り上手いか下手かはあるのかなとは……思うけれど。

「わかりません。夫になるような人間には、縁談が決まる前に講習があるんですが……僕はそれを教わる前に深青の里を抜けたので」

「こうしゅう……」

 私は、人狼の世界の常識を聞き、なんだか唖然とした。

 この世界では、いわゆるセックスの仕方をする時の事を教わる講習があるということだろうか? なんというか……すごく恥ずかしくないのかな。

 皆で授業として、あれを教わるの? 嘘?

「えっと……その、そういう映像とかってないんですか?」

「映像、ですか?」

 きょとん、とした顔で理人さんは綺麗な顔で私を見つめた。

「あのっ、私がこういうこと言うのすごく恥ずかしいんですけど! 一人でする時ってどういうものを見てします?」

 もう埒があかないと思って、率直に聞いた私の言葉を聞いて、理人さんの頬が真っ赤に染まった。
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