まんまるお月様とおおかみさんの遠吠え①~人狼夫たちとのドタバタ溺愛結婚生活♥~
「そっか……残念だな。俺の番になるの、待ち遠しい。早く二人の匂いつけ終わらないかな」

 可愛い顔が、とんでもない事を言ってにこにこと笑う。順番……私は彼が言った言葉に、少し引っかかって聞いた。

「あの……春くんが、三番目なの? それはどうやって、決まるの?」

 それをする順番は、最初から彼らの中で決まっていたようだった。

「そうか。人間は群れっていう概念がないんだよね。俺たち人狼には序列があるんだよ……群れの中での地位。理人や雄吾が相手じゃなかったら、俺が一番だったかもしれないのにな~」

 悔しさを滲ませつつ口を尖らせて、春くんは言った。狼という生き物は群れを作って行動する。そして、一番強い個体のリーダーを筆頭に序列が決められているというから……人狼にもそれがあてはまるということだろうか。

「透子さん。質問しても、良いですか?」

「はい。なんでしょうか、理人さん」

 春くんの言葉を聞いて少し考えていた私に伺うように、彼は首を傾げて聞いた。

「個人差はあると聞いていますが、生理は透子さんは大体何日くらいで終わりますか?」

「……完全には、一週間くらいだと思います」

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