まんまるお月様とおおかみさんの遠吠え①~人狼夫たちとのドタバタ溺愛結婚生活♥~
「そうですね。無理させてすみません。時間も随分遅いですし、そろそろ寝ましょうか」

 くすりと揶揄うように笑うと、理人さんは時計に目を向けた。時計の針が差している時刻を見ればすっかりもう深夜だ。こういうことするのは、大抵の場合深夜なのでそれは良いんだけど……。

「理人さん、お願いがあるんですけど」

「なんですか?」

「私が寝るまで傍に居てくれませんか?」

 初めての場所での夜に、心細い。彼は夫という家族なんだから甘えて良いかなと思ってそう言ったら彼は少しだけ目を見開くようにすると優しく笑ってくれた。

「もちろん。良いですよ」

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