【④】恋風のワルツ〜見習いお嬢さまと5人のイケメン御曹司〜
お祭り当日の朝、恭一郎さんが私を迎えにきてくれた。制服の恭一郎さんも素敵だけれど、黒のシャツにグレーのジャケット姿の恭一郎さんは、いつもよりも大人っぽく見えて緊張する。

「茜さん、おはようございます。今日のワンピースも素敵です。さあ、乗ってください」

私がいつものパンツスタイルで出かけようとしたところ、ママが慌てて飛び出してきて、私をワンピースに着替えさせた。これで良かったみたい。だけど、着慣れないワンピースの裾を気にしながら後部座席に座るのは難しかった。車内ではどこを見ていたら良いのかわからず、恭一郎さんの組んだ長い足ばかり見ていた。しばらくして、高級ブランドのお店が立ち並ぶ通りで車が停まる。

「さあ、行きましょう」
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