Cherry Blossoms〜偽りの絆〜

次にヨハンがマイクを手に、生徒たちに自己紹介をする。

「こんにちは。アフリカのウガンダ出身、ヨハン・ファジルです。小児外科医をしています」

最後は一花だ。大きく息を吸って吐き、生徒たちをグルリと見回して言う。

「こんにちは。日本出身で救急救命医をしている四月一日一花です」

自己紹介を終えた後は、まずは一花がwingとは何か、eagleとは何かを一つずつ話していく予定だった。だが、ここで招かれざる客が姿を見せる。

一花、そしてクラウディオとヨハンの目が鋭くなる。体育館の方に向かってくる何人もの足音が聞こえてきたのだ。ゾクリと体が震える感覚に、学校関係者ではないと三人は悟る。

「危ない！逃げろ！」

ヨハンが叫んだ瞬間、体育館の分厚い扉が一瞬で開いた。そこにいたのは、特殊部隊のような格好をした十数人ほどの男性たちだ。その手には散弾銃が握られている。

「やめなさい！！」

一花が叫んだ瞬間、男性たちは迷うことなくまだ状況を把握できていない生徒や教師たちに向かって発砲し始めた。血が辺りに飛び散り、悲鳴が上がる。