Cherry Blossoms〜偽りの絆〜

「本田先生、どうしてこちらに！」

「四月一日先生たちが心配でしたので」

桜士はそう一瞬微笑んで言ったものの、あまりよくないことが起こっていることに気付いていた。一花の発信機のすぐ近くにヨハンの発信機があったこと、そして一花が彼の名前を呼んでいたため、ヨハンが一花と共に行動していることはわかっている。だが、その彼は戦っていない。

「ヨハン先生は？」

微かに漂う血の香りに、桜士は一花に訊ねる。一花はその顔に怒りを浮かべながら、男性たちに銃を向けた。

「この人が投げたナイフが、ヨハンのお腹に刺さってしまいました！！私、許せません！！」

一花が銃を構えると、男性たちも銃を構える。桜士はすぐに近くにいた男性の腕を捻って銃を落とさせ、背後に回り込んで拘束する。あまりにも素早い出来事に、男性たちはもちろん、一花も驚いていた。

「四月一日先生、ダメです。ここは戦場じゃないんです。日本ではあなたは銃を持つことは本来禁じられています」