Cherry Blossoms〜偽りの絆〜
一花たちが銃を使ったことは、もちろん桜士が持っているだけの力を使って揉み消すつもりだ。だからこそ、これ以上銃を彼女に持っていてほしくない。そんな思いから、桜士は一花を真っ直ぐ見つめる。

「この三人は何とかします。四月一日先生はヨハンさんの手当てをしてください」

「本田先生……」

一花がそう呟くと、一花の隣にある流し台の陰からヨハンがゆっくりと姿を見せる。そのお腹には、一花の言った通りナイフが突き刺さり、血が流れていた。

「……へっ、かっこいいこと、言うな。お前なら、絶対ここに来るって思ってたけど、当たったな」

ゼエハアと荒い息を吐きながら、ヨハンは桜士を見つめる。一花が慌てて「ヨハン、動かないで!」と言ったものの、彼は一花の方を見ることはしない。

「言ったな?この三人を何とかするって……。その言葉、信じるぞ。いいな?」

「はい、任せてください」

桜士がそう真っ直ぐな目で言うと、ヨハンは「任せた……」と言いながらその場にへたり込む。一花はすぐに銃を捨て、かばんの中から医療器具などを取り出し始めた。
< 42 / 57 >

この作品をシェア

pagetop