愛していますよ、だから幸せになってくださいね!

「ウェズリー殿ミシェル、婚約の件は聞いた。めでたい話だ。わしからも祝福する」


「「ありがとうございます」」


「ときにミシェル、三年前はすまなかった。まだ幼い少女だった君に辛い思いをさせてしまった。あの歳で単身外国へ行くというのは相当な覚悟があっての事だ。ジュールの事を思って出て行ったということも分かっておる。男というのはいつまでもうじうじして、成長しないではないか! うじうじするくらいならすることはまだあろうにと思うと、我が子ながら頭を抱える問題だよ」


「勿体ないお言葉です」


「ジュールがしつこくミシェルの居場所を探すようにと言ってきた。わしはミシェルが南の国へ行ったことは伯爵から聞いておった。だがジュールには教えなかった。教える必要はないと言うわしの判断だ。婚約が決まる前に、ジュールが何度もミシェルと婚約したいと言ってきていた。だからわしはある条件を出した。それが出来るのなら婚約を許すと言った。愛しているのなら出来るだろう? と」




 条件? 


 そんな話聞いてない。

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